ぶどう狩りシーズン到来!! 様々な品種、採れたてのおいしさを静岡で味わえます。 大塚ぶどう園【大塚剛英】

静岡でぶどう狩り!?

温暖な気候と豊かな自然に恵まれている静岡県。それゆえに、全国的に見ても農作物が豊富に栽培されていると言われます。しかも、東西に広く、環境や気候もそれぞれで、栽培されている農作物の種類は幅広いということは知っているつもりでしたが、それでも〝静岡でぶどう狩りができる〟とは驚きました。
ぶどう狩りと聞いて真っ先に思い浮かぶのは山梨県。そこから勝手に連想し、涼しい気候の、山間部にあるのだろうと思いつつ向かってみると、険しい道のりを経ることなく、静岡市の中心部から車で20分程で到着。気軽に遊びに来られる場所にあることに、再度驚きました。

【大塚ぶどう園。開園に向けて実を膨らませながら待つぶどうがどっさり!】

多種多様なぶどうを栽培。〝懐かしのあの味〟にも出会えるかも!?

大塚ぶどう園のこだわりであり、最大の魅力は栽培しているぶどうの品種の多さ。静岡生まれのピオーネや近年大人気のシャインマスカットをはじめ、なんと15品種も!!つまりスーパーに置いていないものにも出会えます。まだ一般には知られていないものはもちろん、かつてはスーパーでも売っていたけれど、嗜好の変化によって取り扱いがなくなってしまったものもあるのです。もしかしたら、好きだったあの品種に再会できるかもしれませんね。

取材にお邪魔した8月中旬、完熟を間近に控えていたのはベニバラードという品種。ぶどう狩りのスタート時期に一番良い状態で提供するため、ひとつひとつに虫除けの白い袋がかぶせられていました。試しに袋を外して見せてもらったその実は、お尻側に向かって赤みがかり、丸々と膨らんでハリとツヤがあります。味見をさせてもらうと、甘みだけでなく程よく酸味が利いていて、後味はサッパリ。皮のシャリシャリとした食感も相まって、まるでリンゴのような味わいです。

【リンゴのような味わいのベニバラード】

【巨峰】

【瀬戸ジャイアンツ。お尻のような形が特徴】

【試験栽培中の品種。お客様の口に届く日も近い!?】

手間ひまけているからこそ、おいしい。

「最近では、果物は糖度が重要だと思われがちだけど、和食における出汁のように、味の決め手になるのは実は酸味」と剛英さん。「酸味があることによって味にキレが出る。例えばケーキなどに果物を使う時も、ただ甘いだけだとクリームなどに合わないんだよね」。品種ごとにその酸味と甘みのバランスが取れた時を見極めるべく、ぶどうの状態を細かくチェックし、与える水量の調節や無駄な枝葉を切り落とすなど畑を管理することが欠かせません。ぶどう狩りの期間は毎年8月下旬から10月上旬の約1か月ですが、そのために5月のGW頃からずっと作業があるといい、おいしいぶどうはまさに丹精込めた作業の結晶なのです。

【実の生育具合を丁寧にチェック。水をあげすぎても実が割れてしまうので完熟前は微妙な調節が必要なようです】

【大きく育つ前の実は、良いものだけを残し間引きます】

【ぶどうを上手に避けながら畑をスイスイ移動する剛英さん。取材陣、置いてきぼり(笑)】

地元の人に、もっとぶどうのおいしさを。

「やっぱり採れたてが一番おいしい」と胸を張る剛英さん。そのおいしさゆえ、一度来た方はリピーターになることが多いそうです。また、知り合いの家を訪問するお土産にするためぶどう狩りに来る方もいるのだとか。

現在、お客さんにぶどう狩りを提供する畑は4つ。開園期間ずっと楽しめるピオーネに加え、時期に応じて旬の品種を狩ることが可能。期間中に何度も足を運ぶ常連さんもいるそうです。また、たまにしかない品種でも予約をすれば購入は可能とのこと。

お客さんの8~9割が静岡市や中部エリアからで、まずは地元の人に静岡でもぶどう狩りができることを広めたいと剛英さん。市内の飲食店などへの卸を行うと同時に、お店と共同での商品開発にも挑戦中。「もっといいものを作ろうと思ったらやることはいっぱいある」と、ぶどう狩りシーズンを目前に控えながら、常にその先のビジョンを描いています。

【ぶどうについて語り始めたら止まらない剛英さん】

 

大塚ぶどう園の情報はコチラ!

静岡市葵区福田ヶ谷88
TEL.054-294-9767
FAX.054-294-9097

http://www.otsukabudouen.jp/ または「大塚ぶどう園」で検索
開園期間:8月下旬~10月上旬
ぶどう狩りできる品種:ピオーネ、ベニバラード、シャインマスカット、瀬戸ジャイアンツなど

料金:入園無料、狩りとった分だけ量り売り