仕事もプライベートも楽しみたい! 静岡市認定農業者 ミリーナ・ミニチンゲン菜農家 【石川俊浩】

 

ベテラン農家が作り続けてきた、静岡生まれの野菜「ミリーナ」

農家に生まれ、小学生の頃から後を継ごうと思っていたという石川さん。磐田の静岡県立農林短期大学校を出て就農。キャリアは35年と、まさにベテランの農家さんです。
そんな石川さんが育てるのはミニチンゲン菜とミリーナ。

…ミリーナ??あなたはこの野菜を知っていますか?実はこちら、静岡弁の〝みるい〟から名付けられた静岡生まれの野菜なんです。約30年前、石川さんを含めた若手後継者たちが、周年で育てられる野菜を作り売り出そうということで開発されたのだそうです。その後、計画はとん挫してしまったそうですが、それでも石川さんは一人ミリーナを栽培し続けてきました。

ミリーナは結球しない白菜の仲間。収穫したミリーナをいただいてみると、ほんのり塩気があり、茎部分はとろけるように柔らか。みずみずしくて後から甘みも感じます。野菜炒めや、これからの季節は鍋や雑煮などにも大活躍するだろうと、太鼓判。中華風スープといった和食以外の料理にもよく馴染むし、おひたしや浅漬けなども短時間で浸かるので使いやすい、献立の心強い味方です。ちなみに、石川さん一番のオススメ料理はお味噌汁なのだとか♪

こちらがミリーナ。白菜の仲間ですが、結球はしません。

収穫したミリーナ。採れたては特に〝みるくて〟、とろけるような食感でした!

 

 

直播きによる作業効率のアップ。パッケージングの美しさへのこだわり。
より多くの人に知ってもらうために、工夫を重ねています。

種を播種機で直播きするというミリーナ。苗を育てて植え替えるよりも効率が良く、「まだまだ栽培量が増やせる」と石川さん。そして収穫の時にもこだわりのポイントが。それは、根を切り落とすこと、水洗いをしないこと。土や水を一切付けないように配慮し、きれいなパッケージで出荷することを徹底しているのです。「見た目には自信があるよ」というその言葉にも力がこもります。

畑は4つに区切られ、順番に栽培することで1年中収穫できるようになっています。今のところ認知度は高くなく出荷先も限定的ですが、逆に言えば、まだまだのびしろがあるということ。「もっと多く生産できるようになって、より多くの場所で地元の人に手に取ってもらえるようになればいいなと思う」と、まだ〝みるい〟野菜の未来を見据えています。来年以降は、代々栽培していた葉生姜とイチゴの栽培を止め、ミリーナとミニチンゲン菜の栽培に専念するそうなので、目にする機会がグッと増えるかもしれませんね。

ミリーナもミニチンゲン菜も、播種機で畑に種を直播きしています。

 

収穫の様子。袋詰めした際に葉に土がつかないよう、根元を一つひとつ切り落とします。

 

重さを図って、袋詰め。パッケージはとても美しい!!

 

楽しもうという気持ちが原動力。農作業も趣味も、アグレッシブかつアクティブにこなしています。

ここまでお話を聞いていると、農業以外には興味がないのではないかと思いきや、「仕事もプライベートも楽しみたい」と石川さん。「国内旅行など行きたいところもあるし、やりたいこともあるからね。車も買っちゃって、カスタムし直して。デコボコ道を走るのが好きなんだよ」と目を輝かせます。そのために、収穫や袋詰めの作業を自分以外の人でもできるようにし、無理せず、休みもちゃんと取れるようにシステム作りを進めているそうです。時代の先を行く考え方に驚かされました。

「やりたいことも行きたいところもたくさんある」と石川さん。それを実現するためにも、農作業を工夫している発想の柔軟さに脱帽です。

愛車のジムニー。これで、日本中を駆け巡るのでしょうか♪

 

そんな石川さんの育てるミリーナとミニチンゲン菜は現在、じまん市4店舗と、清水のひばりやに出荷されている。年間通して価格も量も変わらないというのが嬉しいですね!今後はQRコードでの情報も提供していく予定。

静岡生まれ、石川さんが大切に育ててきた、こだわりいっぱいのミリーナとミニチンゲン菜の味を、ぜひその舌で確かめてください!

 

静岡市駿河区古宿44

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